手続き・期限

ふるさと納税は年末調整で申請できる?会社員が秋にやること

※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。制度の内容は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイト・公的機関の情報でご確認ください。

最終確認日:2026-09-01

秋になると、会社から年末調整の書類が配られます。生命保険料の証明書を貼りながら、「そういえばふるさと納税もここで出すのかな」と手が止まった人は多いはずです。

結論から言うと、ふるさと納税は年末調整では申請できません。会社が年内に処理してくれるわけではなく、控除を受ける入口は「ワンストップ特例」か「確定申告」の2つだけです。ここを勘違いしたまま年を越すと、寄付はしたのに控除が受けられず、自己負担2,000円どころか全額が持ち出しになるという一番もったいない結果になります。

しかも年末調整の時期は、ふるさと納税にとっては「今年の上限がだいたい見えてくる時期」でもあります。年末調整は申請の場ではありませんが、判断材料が手に入る時期ではある、というのがこの記事の要点です。

まず結論|申請の入口は2つだけ

会社員 | ふるさと納税の申請ルート

年末調整・ワンストップ特例・確定申告の役割の違い

ふるさと納税の控除を受けられるのは、下の2つ目と3つ目だけです

ふるさと納税の申請控除のされ方期限のめやす
年末調整 会社が年内に行う手続き × できない(寄附金控除は対象外) × ふるさと納税分は反映されない △ 11〜12月ごろ会社へ提出
ワンストップ特例 確定申告が不要な給与所得者・5団体以内 ○ 寄付先の自治体へ申請書を出す ○ 全額が翌年度分の住民税から △ 翌年1月10日必着
確定申告 6団体以上・医療費控除なども申告する人 ○ 申告書に寄附金控除を記入 ○ 所得税の還付+翌年度分の住民税から △ 翌年2〜3月
  • ※控除の金額は目安です。正確な金額は源泉徴収票をもとに詳細シミュレーションや、お住まいの自治体・税理士にご確認ください。

ふるさとくらべ

国税庁は、ふるさと納税の控除を受ける方法として「確定申告」と「ワンストップ特例」の2つを示しています。控除を受けるには寄付した年分の確定申告をする必要があり、その例外として、確定申告が不要な給与所得者で寄付先が5団体以内の場合に限り、寄付先の自治体に申請することで控除を受けられる、という組み立てです(国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」令和7年4月1日現在法令等・取得日 2026-09-01)。

この2つの中に、年末調整は入っていません。会社に何かを提出して終わり、という道は用意されていないと考えてください。

なぜ年末調整では処理できないのか

理由は大きく2つあります。

理由1|ふるさと納税は「寄附金控除」で、年末調整の担当範囲の外にある

ふるさと納税は税金の前払いのように語られますが、税法上の位置づけは自治体への寄付です。控除の計算も寄附金控除の枠組みで行われ、その年の特定寄附金の合計額と、総所得金額等の40%相当額の低いほうから2,000円を引いた額が所得税の寄附金控除額になります(国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」令和7年4月1日現在法令等・取得日 2026-09-01)。

同じページでは、この控除を受けるために確定申告書に寄附金の受領証などを添付するか提示することが求められています。会社が集める書類ではなく、本人が申告時に出す書類として設計されているわけです。年末調整で会社が扱うのは、扶養控除や生命保険料控除のように会社に提出させる仕組みが用意された控除であって、寄附金控除はそこに含まれていません。

理由2|年末調整の時点では、年内の寄付額が確定していない

年末調整の書類が配られるのはたいてい11月です。しかしふるさと納税の対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに行った寄付です。12月31日に駆け込みで寄付する人もいる以上、11月時点で金額を締めることはできません。

制度の建て付けとしても、寄付額が固まったあとで申請する流れになっています。ワンストップ特例の申請書は寄付するたびに自治体へ出しますし、確定申告は年が明けてからです。年末調整より後ろにずれるのが自然なのです。

年末調整の書類でよくある3つの取り違え

取り違え1|保険料控除申告書にふるさと納税を書いてしまう

年末調整で会社に出す申告書には、ふるさと納税や寄附金控除を書く欄がありません。生命保険料控除やiDeCo(小規模企業共済等掛金控除)の欄に金額を書き足しても、ふるさと納税として処理されることはありません。書く欄が見つからないのは、探し方が悪いのではなく、そもそも対象外だからです。

取り違え2|寄附金受領証明書を会社に提出してしまう

自治体から届く寄附金受領証明書は、確定申告をするときに自分で使う書類です(国税庁 No.1150・取得日 2026-09-01)。会社に渡しても年末調整には反映されず、しかも確定申告の時期に手元にないという二重の困りごとになります。ワンストップ特例を使う人も、受領証明書は寄付の証拠として保管しておくのが安全です。

取り違え3|「年末調整で住宅ローン控除を出したから、ふるさと納税も大丈夫」と思い込む

住宅ローン控除は2年目以降であれば年末調整で処理できますが、これはふるさと納税とはまったく別の控除です。年末調整で扱える控除が増えても、寄附金控除が対象になるわけではありません。なお住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要になるため、その年はワンストップ特例が使えなくなります。この組み合わせについては住宅ローン控除とふるさと納税は併用できる?で詳しく整理しています。

秋から年明けまで、会社員がやることを時期順に

年末調整では申請できない代わりに、やることは自分の手元にあります。時期順に並べると迷いません。

9〜10月|今年の上限の目安を出す

ふるさと納税の上限は、その年の所得と家族構成で決まります。総務省の資料では、控除は「所得税分」「住民税の基本分」「住民税の特例分」の3つで構成され、このうち特例分は住民税所得割額の2割を超えない範囲で適用されるとされています(総務省「ふるさと納税の控除について」取得日 2026-09-01)。この2割の壁があるため、上限は年収と家族構成でかなり動きます。

9〜10月であれば、1月からの給与明細と昨年の源泉徴収票を並べて、今年の見込み年収を立てられます。まず上限の目安を出してから寄付額を決めるのが、失敗を減らす一番の近道です。当サイトの控除上限計算機で、年収と家族構成から目安を確認できます。見込みの立て方はふるさと納税の上限はいつの年収で決まる?にまとめました。

11〜12月|年末調整の書類を出しつつ、寄付を進める

年末調整の書類は会社の締切に合わせて提出します。ここにふるさと納税は書きません。並行して、上限の目安の範囲内で寄付を進めます。

このとき決めておきたいのが、ワンストップ特例を使うか、確定申告をするかです。ワンストップ特例を使うなら寄付先は5団体以内に抑える必要があり、申請書は寄付するたびに提出します。制度の条件はワンストップ特例制度のしくみで確認してください。

12月|年内の決済を締める

寄付が今年分になるかどうかは決済のタイミングで決まります。年末は自治体もポータルも混み合うため、12月31日ぎりぎりの申し込みは避けたほうが安全です。駆け込み時期の注意点は12月の駆け込みスケジュールにまとめています。

上限の目安が出て、ワンストップ特例か確定申告かの方針も決まったら、あとは返礼品を選ぶだけです。

翌年1月10日|ワンストップ特例の申請期限

ワンストップ特例の申請書は、寄付した翌年の1月10日必着が原則です。京都市が公開している申請書の記入例にも「提出期限:寄付日の翌年1月10日(必着)」と明記されています(取得日 2026-09-01)。消印有効ではなく必着である点に注意してください。期限を過ぎた場合は確定申告に切り替えることになります。

翌年2〜3月|確定申告をする場合

ワンストップ特例の対象でない人、申請しない人は、控除を受けるために確定申告を行う必要があります。総務省の案内では、その年の1月から12月に行ったふるさと納税について、翌年の2月から3月に確定申告を行うとされています(総務省「ふるさと納税の流れ」「ふるさと納税に関するよくある質問」取得日 2026-09-01)。

控除のされ方も、ルートによって違う

同じ金額を寄付しても、どちらのルートを通るかで税金の減り方が変わります。

  • 確定申告をした場合:ふるさと納税を行った年の所得税から控除(還付)され、加えて翌年度分の住民税が減額されます(総務省・取得日 2026-09-01)
  • ワンストップ特例が適用された場合:所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が翌年度分の住民税の減額という形になります(総務省「ふるさと納税の流れ」取得日 2026-09-01)

つまりワンストップ特例では、年内に還付金が振り込まれることはありません。「還付がないから失敗した」わけではなく、住民税にまとめて反映される仕組みです。実際に控除されたかどうかは、翌年5〜6月に届く住民税決定通知書で確認できます。確認の手順は住民税決定通知書での確認方法にまとめました。

なお、これらの控除で自己負担が2,000円で収まるのは、上限の範囲内で寄付し、期限内に申請まで終えた場合です。上限を超えた分や、申請を忘れた分は自己負担になります。

途中で確定申告が必要になる人

年末調整を受けている会社員でも、次のような場合はワンストップ特例が使えず、確定申告に切り替わります。

  • 寄付先が6団体以上になった
  • 医療費控除やセルフメディケーション税制を使う
  • 住宅ローン控除の1年目にあたる
  • 給与以外に一定の所得があり、もともと確定申告が必要
  • 申請書を1月10日までに出せなかった、記載に不備があった

特に見落とされやすいのが、確定申告をするとワンストップ特例の申請が無効になるという点です。国税庁も「確定申告を行う方は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要がある」としています(国税庁 No.1155・取得日 2026-09-01)。

申請書を出したから安心、ではありません。 年明けに医療費控除のために確定申告をするなら、ワンストップ特例で申請済みの寄付も含めて、すべて申告書に書き直す必要があります。この点はワンストップ申請後に確定申告をする場合で手順を追っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 年末調整の書類を出したあとにふるさと納税をしても大丈夫ですか

問題ありません。 年末調整とふるさと納税の申請は別の手続きなので、順番の縛りはありません。対象になるのはその年の12月31日までに行った寄付です。むしろ年末調整の時期は今年の年収がほぼ見えている時期なので、上限の見積もりがしやすいタイミングとも言えます。

Q2. 会社にふるさと納税をしたことは知られますか

ワンストップ特例を使った場合、控除は翌年度分の住民税から行われます。会社は住民税の特別徴収を通じて税額の通知を受け取るため、税額の変化そのものは会社に伝わります。ただし通知から寄付先や返礼品の内容が分かるわけではありません。気になる場合は、住民税の徴収方法についてお住まいの市区町村に確認してください。

Q3. 年末調整をしていない年でもふるさと納税はできますか

寄付自体は誰でもできます。ただし控除は税金を納めている人が対象なので、その年の所得が少なく所得税・住民税がほとんど発生しない場合、控除される金額もほとんど残りません。年の途中で退職した年などは、退職した年のふるさと納税も合わせて確認してください。

Q4. 年末調整でやり直しがきくなら、申請を忘れても大丈夫ですよね

いいえ、年末調整でのやり直しはできません。ワンストップ特例の期限(翌年1月10日必着)を過ぎてしまった場合の受け皿は確定申告です。確定申告の期間に間に合わなくても、還付を受ける申告であれば後から手続きできる場合があります。忘れた場合の対処はワンストップ特例を出し忘れたときにまとめています。

Q5. 上限を超えて寄付してしまったら、年末調整で調整されますか

されません。 上限を超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。年末調整も確定申告も、超過分を戻す仕組みではありません。だからこそ、寄付の前に上限の目安を出しておくことが大切です。超過したときに何が起きるかは上限を超えたらどうなる?で解説しています。

まとめ|押さえるのはこの4つ

  • ふるさと納税は年末調整では申請できない。控除の入口はワンストップ特例か確定申告の2つだけ
  • 年末調整の申告書にふるさと納税を書く欄はない。受領証明書も会社ではなく自分で保管する
  • 秋にやるべきは申請ではなく、上限の目安を出すこと。年収が見えてくる時期だからこそ精度が上がる
  • ワンストップ特例は翌年1月10日必着。確定申告をするとワンストップの申請は無効になり、全件を申告書に書き直す

年末調整の書類を配られた日は、ふるさと納税の締切カレンダーが動き出す合図でもあります。書類を出す場所は会社ではないとだけ覚えておけば、あとは時期順に進めるだけです。

※制度・数値は執筆時点のものです(取得日:2026-09-01)。最新は総務省・各ポータル公式でご確認ください。本記事は制度の一般的な仕組みを解説するものであり、個別の税務判断を行うものではありません。控除額は目安であり、正確な金額は源泉徴収票をもとにした詳細シミュレーションや、お住まいの自治体・所轄の税務署・税理士にご確認ください。

あわせて読みたい

参考にした情報