大学生バイトのふるさと納税|控除が効く年収の境目
※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。制度の内容は変更される場合があります。最新情報は必ず公的機関・各ポータル公式の案内でご確認ください。
アルバイトをしている学生がふるさと納税をしても、控除を受けられないことがあります。住民税の所得割が出ていない人は、寄付した金額がそのまま自己負担になるためです。
境目は2か所あります。アルバイト収入だけなら年収110万円、勤労学生控除を申告する場合は年収134万円が、住民税の所得割がかかり始める目安です。どちらも令和8年度分の住民税で使われる金額から計算しました。根拠は本文で1つずつ出します。
この記事でわかることは3つです。
- 学生のふるさと納税で控除が効く条件
- 境目になる2つの年収と、その計算の中身
- 親の扶養と特定親族特別控除への影響
学生でもふるさと納税はできるのか
寄付そのものは誰でもできます。ふるさと納税の申し込みに年齢や職業の制限はなく、学生でも返礼品を受け取れます。
分けて考えたいのは「寄付できるか」と「控除を受けられるか」です。控除の側には条件があります。
総務省が示すふるさと納税の控除の計算式は3つに分かれています(2026-09-13確認)。
- 所得税分:(ふるさと納税額−2,000円)×所得税の税率
- 住民税の基本分:(ふるさと納税額−2,000円)×10%
- 住民税の特例分:(ふるさと納税額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)
このうち特例分には上限があり、住民税の所得割額の2割を超える分は控除されません。住民税の寄附金控除は所得割から差し引く仕組みなので、所得割がゼロの人には差し引く先がありません。所得税の側も、そもそも所得税を納めていなければ戻る税金はありません。
つまり所得割がゼロの学生が3万円を寄付すると、3万円がまるごと自己負担になり、手元に残るのは返礼品だけです。
控除の可否は住民税の所得割しだい
判断の軸は「住民税の所得割が出ているかどうか」の1点です。所得税は学生の年収帯ではほぼゼロになるため、実質的に所得割だけを見れば足ります。
住民税の所得割の税率は、東京都の場合で都民税4%と区市町村民税6%の合計10%です(東京都主税局・2026-09-13確認)。所得割額は、給与収入から給与所得控除と各種の所得控除を引いた課税所得に、この税率をかけて計算します。
学生の場合、この課税所得がゼロになりやすいところに落とし穴があります。次の2つの境目が、そのゼロが終わる地点です。
境目1|年収110万円のライン
アルバイト収入だけで、勤労学生控除を申告しない場合の境目は年収110万円です。内訳は次の2つを足したものです。
- 給与所得控除の最低保障額:65万円。令和7年度税制改正で55万円から引き上げられました。個人住民税では令和8年度分から適用されます(横浜市の令和7年度税制改正に関する案内・2026-09-13確認)
- 住民税の所得割の非課税限度額:同一生計配偶者や扶養親族がいない人は、前年の合計所得金額45万円以下で非課税(東京都主税局・2026-09-13確認)
年収110万円なら、給与所得は110万円−65万円=45万円です。合計所得45万円は非課税限度額にちょうど収まるため、住民税は所得割も均等割もかかりません。控除される税金がないので、ふるさと納税の効果もゼロです。
境目2|勤労学生控除で134万円
勤労学生控除を申告すると、境目は年収134万円まで上がります。住民税の控除額を3つ足した金額です。
- 給与所得控除の最低保障額:65万円
- 住民税の基礎控除:43万円(合計所得金額2,400万円以下の場合)
- 住民税の勤労学生控除:26万円
3つの合計は134万円です(金額はいずれも行橋市が公開している個人住民税の所得控除一覧で確認・2026-09-13確認)。年収134万円までなら課税所得がゼロになり、所得割もゼロになります。
注意したいのは110万円から134万円までの区間です。この区間は所得割がゼロでも、均等割は自治体ごとに定められた額でかかることがあります。均等割からふるさと納税の寄附金控除を差し引くことはできません。
勤労学生控除は自動では付かない
勤労学生控除の要件は国税庁が4つ示しています(タックスアンサーNo.1175・2026-09-13確認)。
- 給与所得など勤労による所得があること
- 合計所得金額が85万円以下(令和7年分)、89万円以下(令和8年分以降)であること
- 勤労による所得以外の所得が10万円以下であること
- 学校教育法に規定する学校の学生など、定められた学校に在学していること
住民税でも同じ引き上げが行われ、所得要件は75万円以下から85万円以下に、給与収入だけの場合は130万円以下から150万円以下になりました(横浜市・2026-09-13確認)。
控除額は所得税27万円、住民税26万円です。申告しなければ付きません。 アルバイト先に出す扶養控除等申告書の勤労学生の欄に記入するか、確定申告で申告します。
年収別の判定
| 年収(給与収入のみ) | 住民税の所得割 | ふるさと納税の控除 |
|---|---|---|
| 110万円以下 | かからない | ゼロ |
| 110万円超〜134万円以下・勤労学生控除あり | かからない | ゼロ |
| 110万円超〜134万円以下・勤労学生控除なし | かかる | わずかに効く |
| 134万円超 | かかる | 効くが上限は小さい |
ふるさと納税 | 学生のアルバイト収入
年収帯ごとの控除の効き方
住民税の所得割が出ているかどうかで結果が変わります
| 住民税の所得割 | 寄付した場合の結果 | |
|---|---|---|
| 年収110万円以下 非課税限度額の中 | × かからない | × 寄付額が全額自己負担 |
| 年収134万円以下 勤労学生控除を申告 | × かからない | × 寄付額が全額自己負担 |
| 年収134万円超 所得割が発生 | ○ かかる | △ 控除は効くが上限は数千円台から |
- ※令和8年度分の住民税で使われる控除額から計算した目安です
- ※社会保険料控除など個別の事情は入れていません
ふるさとくらべ
上限の目安は所得割額の2割から
所得割が出ている学生でも、寄付できる上限は小さくとどまります。特例分の上限が所得割額の2割だからです。
所得割額が1万円の人で計算します。特例分の上限は1万円×20%=2,000円です。総務省の式では特例分が(寄付額−2,000円)×90%なので、この2,000円に収まる寄付額は約4,400円になります。所得税がかかっていない前提の計算です。
自己負担2,000円に対して、戻る住民税は2,400円ほどという水準です。手続きの手間と釣り合うかどうかは自分で判断してください。
この計算には調整控除や社会保険料控除を入れていないため、実際の上限はこれより小さくなることがあります。自分の数字で確認するには控除上限額の計算機に年収と家族構成を入れてください。 正確な金額は源泉徴収票をもとにした詳細シミュレーションや、住んでいる自治体・税理士で確認するのが確実です。
所得税は年収160万円までゼロ
学生の年収帯では、所得税の側はほぼ動きません。令和7年分の基礎控除は、合計所得金額132万円以下の人で95万円です(国税庁・2026-09-13確認)。給与所得控除の最低保障額65万円と足すと160万円になります。
年収160万円までは所得税がかからないため、勤労学生控除27万円を申告しても所得税は変わりません。勤労学生控除が実際に効いてくるのは住民税のほうです。
ふるさと納税の所得税分の控除は、納めた所得税から差し引く仕組みです。所得税がゼロなら、この部分も受け取れません。
親の扶養と特定親族特別控除
学生本人より金額が大きく動くのは、親の側です。子のアルバイト収入が増えると親の控除が減り、親の税額が上がります。
令和7年度税制改正で特定親族特別控除が設けられました。国税庁の説明では、対象は生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が123万円以下の人です(タックスアンサーNo.1177・2026-09-13確認)。控除額は子の合計所得金額に応じて段階的に下がります。
| 子の合計所得金額 | 親が受けられる控除額(所得税) |
|---|---|
| 62万円超〜85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超〜90万円以下 | 61万円 |
| 90万円超〜95万円以下 | 51万円 |
| 95万円超〜100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超〜105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超〜110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超〜115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超〜120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超〜123万円以下 | 3万円 |
住民税では、この控除の額は45万円として計算されます(横浜市の計算例・2026-09-13確認)。段階の区分は改正が続いている部分なので、申告の前に国税庁のタックスアンサーで適用年分を確かめてください。
親の控除が減ると親の課税所得が増え、親の住民税の所得割も増えます。所得割が増えると親のふるさと納税の上限は上がります。ただし世帯全体で見れば税負担が増えているので、上限が上がったこと自体は得ではありません。
税とは別に、社会保険の扶養にも年収の目安があります。こちらは税のルールと連動しないため、勤務先や加入している健康保険組合に確認してください。
親側から見た上限の動き方は、子どもの年齢でふるさと納税の上限は下がる|16歳と19歳で詳しく整理しています。
所得割が出ている人の寄付前3点
年収が134万円を超えていて所得割が出ている学生が、実際に寄付するまでの手順は3つです。
- 今年1月からのアルバイト代を、給与明細の総支給額で合計する。年末までの見込みも足す
- その金額で上限の目安を出す。金額が小さいので、余裕を持って少なめに見ておく
- 寄付先が5自治体以内で確定申告をしないならワンストップ特例、それ以外は確定申告を選ぶ
上限の目安が出てから、その枠の範囲で寄付先を選びます。
学生が損しやすい3パターン
もっとも多いのは、年収110万円以下で寄付するパターンです。 住民税がかからない人が寄付しても、差し引く税金がありません。「実質2,000円」は上限内の寄付と控除手続きの完了が前提で、税金を納めていない人には当てはまりません。
気づきにくいのは、勤労学生控除で所得割がゼロになっているのに寄付するパターンです。 年収が110万円を超えると税金を払っている感覚になりますが、所得割はゼロというケースがあります。住民税の通知書で所得割額を確認してから判断してください。
手続きを出さないパターンも損につながります。 アルバイトを掛け持ちしていて年末調整を受けていない人や、確定申告が必要な人がワンストップ特例だけで済ませると、控除が入りません。寄付額が小さいほど、手続き漏れの影響は自己負担として重く残ります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 親のクレジットカードで払えば親の控除になりますか。
A. なりません。控除を受けるのは寄付の申し込みで名義人になっている人です。支払いに使ったカードの名義ではありません。親が控除を受けたいなら、申し込みの名義も親にする必要があります。名義が食い違うと、寄附金受領証明書の宛名と控除を受ける人が一致せず、手続きで止まります。
Q2. 親からの仕送りは年収に入りますか。
A. 入りません。仕送りは給与収入ではないため、上限の計算にも勤労学生控除の判定にも影響しません。ただし勤労学生控除には「勤労による所得以外の所得が10万円以下」という要件があります(国税庁No.1175・2026-09-13確認)。株の配当などがある人はこの要件を確認してください。
Q3. 今年は年収が低いですが、来年は増えます。今年やっておくべきですか。
A. 控除の判定はその年の収入で行われます。今年の所得割がゼロなら、今年の寄付は自己負担にしかなりません。来年の寄付は来年の収入で判断してください。前倒しの意味はありません。
Q4. 大学院生でフルタイムに近く働いています。
A. 所得割が出ていれば、考え方は会社員と同じです。上限は年収と家族構成で決まるので、計算機に自分の数字を入れてください。勤労学生控除の所得要件(給与収入150万円以下)を超えている場合は、この控除は使えません。
まとめ|判断の順番
- 今年1月からのアルバイト代を、総支給額で合計する
- 年収110万円、勤労学生控除を申告するなら134万円という境目と照らし合わせる
- 境目以下なら寄付しても控除はゼロ。返礼品の代金を全額払う形になる
- 境目を超えていたら計算機で上限の目安を出し、2,000円の自己負担と手続きの手間に見合うか決める
- 親の扶養から外れる年収帯では、世帯全体での影響も一緒に確認する
※制度・数値は執筆時点のものです(取得日:2026-09-13)。最新は総務省・各ポータル公式でご確認ください。