計算・上限

転職した年のふるさと納税|上限は2社合計の年収で決まる

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最終確認日:2026-09-23


「今年は転職したけど、ふるさと納税ってやっていいの?」「年収がいくらになるか分からなくて、上限が計算できない…」

転職した年は、ふるさと納税でいちばん迷いが出やすいタイミングです。理由はシンプルで、その年の年収(=上限のもとになる数字)が、辞めるまで確定しづらい からです。

先に結論をお伝えします。

  • 転職した年でも、ふるさと納税は基本的にできます。
  • ただし 上限額は「その年(1〜12月)の合計収入」で決まる ので、転職前後の収入を合わせて考える必要があります。
  • 年の途中で退職して年末に会社に属していない人は、確定申告をすることが多く、その場合ワンストップ特例は使えません。

この記事では、「上限額はどう考えるか」「手続きはどう変わるか」を、転職のパターン別に整理します。退職金の扱い というつまずきやすい論点も、公的機関の説明をもとに解説します。


まず大原則:上限額は「1年間の合計収入」で決まる

ふるさと納税の控除には上限(実質2,000円で済む寄付の限度額)があります。総務省は、この上限の目安を 「住民税所得割のおおむね2割程度」 と説明しています(総務省「ふるさと納税の控除の仕組み」/2026-08-06確認)。

ここで大事なのは、この「所得割」が、1年間(その年の1月1日〜12月31日)の所得をもとに計算される という点です。

つまり、転職して勤務先が2つになった場合でも、上限のもとになるのは「前の会社の収入+新しい会社の収入」の合計 です。どちらか片方だけで計算すると、実際の上限とずれてしまいます。

  • 年収が上がる転職 → 上限額は増える傾向
  • 年収が下がる転職・空白期間があった → 上限額は減る傾向

年の途中で転職した年は、例年の感覚のまま寄付すると「思ったより上限が低かった」となりがちです。寄付する前に、その年の見込み年収で上限を確認しておく のが失敗を防ぐいちばんの近道です。寄付の前に、当サイトの控除上限のかんたん計算機で、今年の見込み収入をもとにおおよその目安を確認してみてください。より正確な金額は、源泉徴収票をもとにした各ポータルの詳細シミュレーションや、自治体・税理士でご確認ください。


手続きはどうなる? 転職のパターン別に整理

上限の考え方が分かったら、次は「控除を受けるための手続き」です。転職の仕方によって、ワンストップ特例で済むか、確定申告が必要か が変わります。下の図で、自分がどこに当てはまるか確認してみてください。

転職した年 | ふるさと納税の手続き

辞め方・年末の状況で、やることが変わる

鍵は「年末時点で会社に属しているか」「寄付先が5自治体以内か」です

上限の考え方手続き
転職して年末も会社員(前後2社) 年内に再就職 △ 2社の収入を合算して考える ○ ワンストップ特例が使えることが多い
年の途中で退職・年末は無職 年内に再就職せず △ 退職までの収入で考える(下がりやすい) △ 還付のため確定申告をすることが多い
寄付先が6自治体以上 辞め方に関わらず △ 合計収入で考える × ワンストップ特例は使えない(確定申告)
  • ※あくまで一般的な考え方の目安です。個別の扱いはお住まいの自治体・税務署にご確認ください。

ふるさとくらべ

なぜこうなるのか、順番に説明します。


パターン1:転職して、年末も会社員(前後で2社)

年の途中で転職し、年末(12月31日時点)に新しい会社に勤めている 人は、いちばん手続きがシンプルなパターンです。

このケースでは、通常、新しい勤務先での 年末調整 に、前の会社の源泉徴収票を提出して合算してもらいます。これで1年分の所得がまとまり、確定申告をしなくても税金の精算が終わります。

そのため、確定申告が不要な給与所得者 に当てはまり、ワンストップ特例が使えます。総務省も、ワンストップ特例の対象を「確定申告をする必要のない給与所得者等」で「寄付先が5団体以内」の場合と説明しています(総務省「ふるさと納税の控除の仕組み」/2026-08-06確認)。

気をつけたいこと

  • 前の会社の源泉徴収票を、必ず新しい会社に提出 する。これを出さないと年末調整で合算されず、結局は自分で確定申告が必要になります。
  • 上限額は 2社の収入の合計 で考える。前職の分を忘れると、上限を低く見積もりすぎることがあります。
  • 寄付先が 6自治体以上 になると、この場合でもワンストップは使えず確定申告になります(次のパターン3を参照)。

パターン2:年の途中で退職し、年末は無職(年内に再就職せず)

年の途中で退職して、その年のうちに再就職しなかった 人は、注意が必要です。

年末時点でどこの会社にも属していないと、年末調整が行われません。給与から引かれた所得税は多めになっていることが多く、取り戻すには 自分で確定申告(還付申告)をする ことになります。国税庁は、還付を受けるための申告は申告義務の対象外と説明しています(国税庁 No.1900・2026-09-23確認)。ただし確定申告をすれば、ワンストップ特例は使えません。総務省も、その年の寄付について確定申告をする場合は「確定申告により寄付金控除を受ける」ことになると説明しています(総務省「ふるさと納税の控除の仕組み」/2026-08-06確認)。

気をつけたいこと

  • 上限額は下がりやすい。年の途中までしか給与収入がないぶん、1年間の所得が例年より少なくなり、上限も低くなる傾向があります。例年と同じ感覚で寄付すると、上限を超えて自己負担が増えるおそれがあります。
  • 控除は確定申告でまとめて申告 する。ワンストップの申請書を出していても、確定申告をするとワンストップの申請はすべて無効になるため、全部の寄付を確定申告に書き直す 必要があります(書き忘れた寄付は控除されません)。
  • 退職して収入が大きく減った年は、そもそも 寄付をしない・少額にとどめる のも選択肢です。ふるさと納税は「実質2,000円で返礼品がもらえる」制度ですが、上限を超えた分は普通の寄付(自己負担)になります。無理をしない判断も大切です。

パターン3:寄付先が6自治体以上になった

転職の有無に関わらず、1年間の寄付先が6自治体以上 になると、ワンストップ特例は使えません。総務省は、ワンストップ特例が使えるのを「寄付先が5団体以内である場合に限り」と定めています(総務省「ふるさと納税の控除の仕組み」/2026-08-06確認)。

この場合は確定申告が必要ですが、確定申告なら 住所変更や複数社の収入もまとめて申告できる ため、転職した年とは相性が良いともいえます。「どうせ確定申告するなら」と割り切って、寄付先を気にせず選べるメリットもあります。


つまずきやすい論点:退職金は上限に影響する?

転職・退職の年でとくに迷うのが「まとまった退職金が出たけど、その分ふるさと納税の枠は増える?」という疑問です。

結論から言うと、退職金(退職所得)は、原則としてふるさと納税の上限額には影響しません。

これは、退職金にかかる税金が、通常の給与所得とは切り離された「退職所得」として 分離課税 で計算されるためです。八王子市の公式説明でも、退職所得は「原則として、支払いを受ける年に源泉分離課税をしているため、ふるさと納税の控除限度額の算定に用いる所得割額には含まれず、ふるさと納税の控除限度額には影響しません」とされています(八王子市公式/2026-08-06確認)。

「退職金がたくさん出たから、今年は上限も大きいはず」と考えて多く寄付すると、上限を超えてしまうおそれがあります。 退職金は基本的に枠を増やさない、と覚えておいてください(源泉徴収義務のない事業所からの支払いなど、一部の例外はあるとされています)。


よくある質問(FAQ)

Q. 転職した年でも、ふるさと納税はやって大丈夫? はい、基本的にはできます。ただし上限額はその年の合計収入で決まるため、転職前後の収入を合わせて見積もることが大切です。年収が下がった年は上限も下がるので、寄付のしすぎに注意してください。

Q. 前の会社の源泉徴収票をなくしてしまいました。 前の勤務先に再発行を依頼できます。年末調整や確定申告で1年分の所得をまとめるために必要な書類なので、早めに手元にそろえておきましょう。

Q. 年の途中で辞めて、年末は無職。ふるさと納税の控除はどう受ける? 年末調整が行われないため、引かれすぎた所得税を取り戻すには翌年に確定申告をします。そのときは確定申告で寄付金控除も申告します。ワンストップ特例の申請書を出していても、確定申告をすると無効になるので、すべての寄付を確定申告にまとめてください。

Q. 退職金が出たら、ふるさと納税の枠は増えますか? 原則として増えません。退職所得は分離課税で、上限額のもとになる所得割には含まれないためです(八王子市公式/2026-08-06確認)。退職金をあてにして寄付を増やすのは避けたほうが安全です。


※制度・数値は執筆時点のものです(取得日:2026-08-06)。控除額・上限額はあくまで目安であり、個別の税務判断ではありません。正確な金額や手続きの詳細は、お住まいの自治体・税務署、または各ポータル公式・税理士でご確認ください。最新情報は総務省・国税庁でご確認ください。

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